エコ・コラム
こんにちは!千葉県 循環型社会推進課です。
今回は千葉県の海岸の話です。
近隣都県にお住まいの皆さんも一度は来られたことがあるのではないでしょうか。
美しい景観や豊かな自然環境があり、
漁業や交通輸送、レクリエーション活動の場などとしても利用される海岸ですが、
実は、大量の漂着物が押し寄せ、生態系を含む海岸の環境の悪化、美しい浜辺の喪失、漁業への影響等の被害が生じています。
このため、千葉県では、県や市町、周辺住民等のボランティアにより海岸の清掃が行われています。
さて、今回のコラムでは昨年度(令和2年度)に千葉県が行った「海岸漂着物組成調査」の概要をご紹介します。
どんなごみが漂着していたのでしょうか。
1 こんな調査をしました(調査の方法)
千葉県の房総半島の東京湾側を「内房」、太平洋側を「外房」と呼んでいます。
令和2年度の調査では、内房にある「富津市(布引海岸)」と外房にある「旭市(中谷里海岸)」で漂着ごみの調査を行いました。
調査時期は、台風シーズン後の10月~11月です。
漂着ごみの量が平均的な地点を選び、50m×22~23mの範囲の漂着ごみ(長さ2.5cm以上)を回収して分類しました。
(※国のガイドライン(地方公共団体向け漂着ごみ組成調査ガイドライン)に基づき実施しました。)
2 千葉県の海岸に流れ着いたごみ(調査の結果)
2つの海岸で漂着物の量に差がありますが、人工物と自然物の割合を見てみると、どちらの海岸でも漂着したごみのおよそ8割は流木等の自然物が占めていました。
このうち人工物に注目して見てみると、大部分はプラスチックが占めています(両海岸ともおよそ8割)。
プラスチックごみの中では、ロープやひもが最も多く、食品容器、食品の容器包装、ボトル等、私たちが生活する中でよく利用するものも多数見つかりました。
他にも、苗木ポット(植物を栽培するためのプラスチック容器)や飲料に付属しているストローなど、さまざまなものが流れ着いていました。
どうしてこうしたごみが海岸にあるのでしょう?
千葉県では今後も継続して調査を実施し、漂着ごみの対策を進めていきます。
3 詳しく知りたい方へ
今回の調査結果の詳細は、下記の千葉県HPに掲載しています。
(海岸漂着物の組成調査について)
https://www.pref.chiba.lg.jp/shigen/kaigan/monitoring.html
また、千葉県では海ごみ問題について分かりやすく学んでもらうために「ちば海ごみ図鑑」を作成しました。
こちらも下記の千葉県HPに掲載していますので、ぜひご覧ください。
(海岸漂着物対策)
https://www.pref.chiba.lg.jp/shigen/kaigan/index.html
4 おわりに
今回は令和2年度の調査結果をお知らせしましたが、県や国(環境省)が過去に千葉県内の海岸で行った調査でもプラスチックごみが最も多く見つかっています。(※重量で比較)
海岸に漂着するごみ等については、山、川、海へとつながる水の流れによる流下物が主となっています。
漂着ごみが少なくなるように、
「ごみを減らす」
「ごみはしっかりごみ箱に捨てる」
「ごみを散乱させない」
など、皆さんにもご協力をお願いします。