エコ・コラム
こんにちは、横浜市資源循環局3R推進課です!
横浜市では、食品ロス削減の取組に「ナッジ」の視点を採り入れられないか研究しています。
ナッジとは?
皆さん、「ナッジ」をご存知ですか?
「ナッジ」とは、禁止・命令するのではなく、自発的に望ましい行動を選択するように誘導するもので、近年は、健康・医療、教育、マーケティングなどさまざまな分野で活用されています。
例えば、
・ペットボトルのラベルの裏におみくじを印刷することで、ラベルをはがしてもらうようにする
・灰皿を投票箱の形にすることで、ポイ捨てを減らす
などの事例があります。
食品ロス削減のためのナッジって?
外食産業、いわゆる飲食店から発生する食品ロスのうち、その半分以上はお客さんの「食べ残し」との調査結果もあります。
そこで、横浜市では、ナッジの考え方を活用して、「適量注文(頼みすぎない)」「食べきり(食べ残さない)」といった行動を促し、飲食店における食べ残しが削減できるか、実証実験を行いました。
市内飲食店と連携した実証実験
(株)ゼットンと連携し、令和3年9月から12月に実証実験を行いました。
(1)実証店舗
◆アロハテーブル コレットマーレみなとみらい
◆山手十番館
(2)主な取組内容
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●ライスの各サイズの写真と重量、及び従業員のコメントを記載したメニュー表を作成したうえで、ライスの量を「小盛り/普通/大盛り」の3種類から”選択する”ということを基本とする注文方法に変更。
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●お子様メニューを完食した場合は、お菓子のつかみ取りと表彰状をプレゼントするというインセンティブ付与の取組を実施。
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●料理が提供されるまでの時間を活用して食への感謝の気持ちをインプットする取組を実施。生産から加工、流通、調理されてテーブルに運ばれてくるまでに多くの人が関わっており、大切に作られたという食材の物語のイラストPOPをテーブルに配置した。
(3)結果概要
ライスの量を選択する注文方法に変更した結果、小盛り・大盛りの選択率が大幅に増えました。特にワンプレートメニューでは小盛の選択率が20%以上増え、ライスの食べ残しが減少しました。
また、子どもへのインセンティブ付与の取組では、子ども連れのグループで減少するとともに、子どものいないグループでも食べ残しが減少するという結果が出ました。こちらは、表彰状の読み上げ等により、周辺のテーブル席にも影響を及ぼしたのではないかと考えています。
(4)啓発動画の制作・掲載
実証実験の結果を関係者のインタビューを中心とした動画にまとめました。
動画及び実証実験の概要・結果についてまとめた報告書を、横浜市ホームページに掲載しております。ぜひ、ご覧ください!
【動画・報告書はこちらから】
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/foodloss-nudge.html
令和4年度は、他の飲食店でも同様の効果が得られるのか、実証実験の結果をもとに更なる検証を行っています。
食品ロスを削減するには、私たち一人ひとりの意識と行動が大切です。無理なく、自然と行動の変容を促すナッジは、食品ロス削減の有効な方法の一つとして、今後も注目してまいります。
大切な資源の有効活用や環境負荷を軽減するために、横浜市は、今後も、食品ロス削減に取り組んでまいります!